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株式投資はまず企業分析を!そのための決算書(キャッシュ・フロー計算書)の読み方を知ろう!
皆さんは株式投資をする際の判断基準をもっていますか?
優待や配当、株価の割安感など、さまざまな判断基準があると思います。
しかし、なぜその会社が配当を出せるのか、なぜ株価が割安だといえるのか、その理由を明確に説明できる方はあまりいらっしゃらないと思います。
その理由を説明するには、決算書を読み解く力が必要となります。
決算書を読み解くことで、企業の数値的な分析を行うのです。
そして、そこで得た情報を株式投資の判断の1つとして活用してみてはいかがでしょうか。
決算書から企業の何がわかるのか?
企業分析には、企業のビジネスモデルや収益構造のほか、マネジメント体制や人材等の人的な経営資源など、様々な側面に対する分析が必要です。
決算書では、財務にかかる指標など企業の数値的な分析から企業の経営状況が見えてきます。
決算書を分析する際の着眼点
決算書を分析する上で着目する点は「企業の経営状況」であり、収益性、安全性、効率性、生産性、成長性です。
【収益性】 その企業の収益力は高いのか低いのか?
【安全性】 債務超過に落ちって自転車操業状態になっていないか?
【効率性】 資産を効率的に活用できているのか?
【生産性】 生産コストはどの程度かかっているのか?
【成長性】 研究開発に投資するなど、将来の成長が見込めるのか?
といった視点をもって決算書と向かい合う必要があります。
そして、決算書を前年と比較したり、キャッシュ・フローを分析することで生きた数字の動きが見えてきます。
キャッシュ・フロー分析
営業活動によるキャッシュ・フロー
本業における資金の動きを把握します。
投資活動によるキャッシュ・フロー
①設備投資などの将来への投資資金の動き
②余剰資金の運用とその回収に伴う資金の動き
①、②の動きを把握します。
財務活動によるキャッシュ・フロー
企業の資金調達にかかる資金の動きを把握します。
キャッシュ・フローの構造別企業状況
営業活動、投資活動、財務活動のキャッシュ・フローのプラス、マイナスを要素に企業の状況を簡単に整理します。
まず、それぞれの活動から企業状況として、
①営業活動キャッシュ・フロー
プラス :本業でしっかりと稼ぐことができている
マイナス:本業で稼ぐことができてきない
②投資活動キャッシュ・フロー
プラス :不要資産(場合によっては必要な資産)の処分などを通じて資産を現金化している
マイナス:将来の設備投資を行っている
③財務活動キャッシュ・フロー
プラス :借入等で資金調達を行っている
マイナス:借入金等を返済し、その圧縮を図っている
といった状況が見えてきます。
それぞれの活動キャッシュ・フロー(CF)の組み合わせを例に、企業の状況を分析してみましょう。
ここでは、CFのプラス、マイナスを千以下で、企業の状態を「最も良い◎」、「良い〇」、「あまり良くない△」「良くない✖」で表します。
パターン1 ◎安定経営で順調に成長
・営業活動CF +1,000
・投資活動CF -500
・財務活動CF -400
本業で稼いだキャッシュの範囲内で、将来への設備投資などを行うとともに、余剰資金で借入金の返済などを行っている。
パターン2 〇将来への投資にやや重点
・営業活動CF +1,000
・投資活動CF -900
・財務活動CF -300
本業で稼いだキャッシュの範囲を超えて、将来への設備投資などを行うとともに、余剰資金で借入金の返済などを行っている。
現金及び現金同等物の期末残高に余裕があれば黒字倒産とはなりません。
営業活動CF+投資活動CF+財務活動CFのトータルがマイナスでも、現金及び現金同等物の期首残高が多かったら、現金及び現金同等物の期末残高は余裕があり、キャッシュは足りなくなりません。
パターン3 〇積極的な将来への投資で勝負
・営業活動CF +400
・投資活動CF -900
・財務活動CF +400
本業で稼いだキャッシュの範囲を大きく超え、積極的な設備投資などを行い、不足資金は借入金や、企業が自由に使える「現金及び現金同等物の残高」からまかなっている。
現金及び現金同等物の期末残高に余裕があれば黒字倒産とはなりません。
パターン4 △財務体質の改善を模索
・営業活動CF +100
・投資活動CF +300
・財務活動CF -400
本業の稼ぎが少なく収益力が弱い。手遅れになる前に、不要投資などの資産処分を行い借入金の返済に充て、財務体質を改善させ経営の立て直しを図っている。
パターン5 ✖負のスパイラルに突入
・営業活動CF -200
・投資活動CF +500
・財務活動CF -400
本業が上手くいかず、稼げていません。また、大幅な資産リストラにより借入金の返済原資をどうにか捻出しており、本業にも悪影響を及ぼす状況です。完全に負のスパイラルに陥っています。
さいごに
キャッシュ・フロー計算書の大まかな部分について説明してきました。
実際のキャッシュ・フロー計算書の詳細な項目の数字の動きをみると、さらに企業の状況が分かります。
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