株式投資はまず企業分析を!そのための損益計算書の読み方を知ろう!
皆さんは株式投資をする際の判断基準をもっていますか?
優待や配当、株価の割安感など、さまざまな判断基準があると思います。
しかし、なぜその会社が配当を出せるのか、なぜ株価が割安だといえるのか、その理由を明確に説明できる方はあまりいらっしゃらないと思います。
その理由を説明するには、決算書を読み解く力が必要となります。
決算書を読み解くことで、企業の数値的な分析を行うのです。
そして、そこで得た情報を株式投資の判断の1つとして活用してみてはいかがでしょうか。
決算書から企業の何がわかるのか?
企業分析には、企業のビジネスモデルや収益構造のほか、マネジメント体制や人材等の人的な経営資源など、様々な側面に対する分析が必要です。
決算書では、財務にかかる指標など企業の数値的な分析から企業の経営状況が見えてきます。
決算書を分析する際の着眼点
決算書を分析する上で着目する点は「企業の経営状況」であり、収益性、安全性、効率性、生産性、成長性です。
【収益性】 その企業の収益力は高いのか低いのか?
【安全性】 債務超過に落ちって自転車操業状態になっていないか?
【効率性】 資産を効率的に活用できているのか?
【生産性】 生産コストはどの程度かかっているのか?
【成長性】 研究開発に投資するなど、将来の成長が見込めるのか?
といった視点をもって決算書と向かい合う必要があります。
そして、決算書を前年と比較したり、キャッシュ・フローを分析することで生きた数字の動きが見えてきます。
損益計算書を分析
では、損益計算書を前年比較の視点から分析していきましょう。
売上高と当期純利益
損益計算書の「売上高」と「当期純利益」から、増収増益、増収減益、減収増益、減収減益、どのパターンとなっているか見ます。
青枠で示した「売上高」の項目を見ると、前年比で、30,230百万円の増収(+2.0%)だと分かります。
また、赤枠内が「当期純利益」で、前年比で、△20,036百万円の減益( △15.3%)となっています。
「当期利益の帰属」 の項目うち「親会社の所有者」が、最終的な「当期純利益」となります。
これは、親会社株主に帰属する当期純利益を指しています。
残りの10%は、親会社株主以外の株主の被支配持分になるので、当期純利益から非支配株主持分を引いたものが最終利益になるのです。
営業利益
営業利益とは、売上総利益から、営業活動に必要な経費である「販売費及び一般管理費」や「研究開発費」を控除して、本業の稼ぎを示したものです。
では、下表の青枠で示す営業利益を見ていきます。
営業利益は前年比で、△28,222百万円( △16.9%)となっています。
研究開発費が、前年比で、 7,474百万円増えており13.5%と大きく伸びています。
研究開発費の大きな伸びは、中⻑期的な成⻑を⽀えるために積極投資を行っていることが分かります。
営業外損益
営業外損益とは、本業以外で発生した収益や費用を計上するところです。
では、下表の青枠で示す営業外損益を見ていきます。
営業外収益のうち一番大きいのが金融収益で、前年比3,986百万円(+ 60.6%)の増加です。
また、営業外費用のうち一番大きいのが金融費用で、前年比で1,867百万円(+ 26.6%)の増加です。
営業外収益トータルでみると、本業以外で前年より30億円ほど最終的な当期純利益にプラスの影響を与えています。
まとめ
日本電産の損益計算書の前年比較から分析できたことは、
・売上高が伸びており、事業は成長性している。
・一方で、売上原価が拡大していることから、売上高に直接対応する製造原価などが高くなっている。
・また、研究開発費が拡大していることから、中⻑期的な成⻑を⽀えるために積極投資を行っている。
・これらを主要因として、当期純利益は、前年比から減益となっているといえる。
であり、大まかな状況を把握できました。
こういったことは、決算説明資料に記載されていますので、そちらで把握できます。
コメントを残す