マキャベリの君主論・全章を分かりやすく説明!

会社の人間関係や社内部署間のいざこざで、仕事がスムーズに進まないことありませんか?

どんなビジネスでも、邪魔する人間やグループなどは出てくるものです。

こちらが大人になって対応しようとしても、悪意ある相手には通用しません

相手より優位に事を進めるには、人間の本質を捉え、場を支配できる環境を作る必要があります。

その方策の1つがマキャベリの君主論です。

でも、マキャベリの君主論の翻訳書や解説書は難しいものばかりだよね

そこで、マキャベリの君主論を各章に分けてわかりやすくご紹介していきます。

Contents

マキャベリの君主論とは

君主論とは、マキャベリによって書かれた1532年発行の古典です。

1500年代のイタリアは、ヴェネツィア、ジェノバ、フィレンツェなど小国乱立状態。

懐柔や裏切りなどあらゆる駆け引きが繰り広げられ、賢き君主のみが生き残れる時代でした。

そんな時代背景において、君主が権力を獲得・保持し続けるための態度や考え方を論じています。

駆け引き上手の賢きビジネスパーソンのみが生き残る現代社会と同じだね!

ビジネスに活かせる内容をご紹介

君主論の構成は、献辞と26章からなります。

各章をご紹介するにあたっての和訳は、中央文庫出版の池田廉訳の「君主論」を参考にしています。

第1章 君主国にはどんな種類があり、その国々はどのような手段で征服されたか

君主国の種類として、世襲君主国と新興の君主国がある

 

また、征服の手段として、他国の武力によるときと自国の武力によるときがある。

ビジネスに例えると、

世襲君主 経営者一族
新興の君主 有能な叩き上げ社員
他国の武力に拠った君主 親会社の出向社員

といったところでしょうか。

では、次章で世襲君主の支配方法を見ていきましょう。

第2章 世襲の君主国

世襲国家は、父から受け継いだ慣習をおろそかにしなければ、国の保持は難しくない。

 

なぜなら、世襲君主には、人をしいたげる動機や必要性などあまりなく、どちらかといえば慕われるからだ。

 

つまり、常軌を逸した悪行で憎まれでもしない限り、領民におのずと好感をもたれる。

経営者の親の引退に伴い、事業を引き継ぐために門外漢の息子が経営者に就くことがあるね

経験の浅い後継ぎが、事情もわからず改革したがるのはよく聞きます
ぽっと出の経営者の資質がない後継ぎに幹部が従うだろうか?

経営体制に亀裂が入るだろうね。だから、まずは、これまでの体制を維持する姿勢が大切なんだ
会社を潰す愚かな2代目ってあるあるだもんね

第3章 混成型の君主国

新領土を獲得し、もとの領土に併合する場合、2つの領土が同じ地域にあって共通の言語を持つときと、そうでないときがある。

 

共通の言語を持つとき、征服者は、国の保持にあたり、昔からの領主の血統を消し去るべき。一方で、住民たちの法律や税制に手をつけてはいけない。

 

他方、言語も風習も制度も異なる地域の領土を手に入れたとき、征服者は現地におもむいて移り住むことが効果的な対策となる。

 

また、名君は、たんに目先の不和だけでなく、遠い将来の不和についても心を配り、将来の紛争に備えておくべきだ。

 

なお、ほかの誰かを偉くする要因を作ってしまうと自滅することになる。

このシチュエーションは、ビジネスでいうと?

例えば、会社組織の統合再編。同じような事業部門の統合だったら、相手部門のリーダーを潰し、その部下達にはこれまでのやり方を認めてあげる感じです
他事業部門だった場合は?

リーダー自らが他方のグループと親しく付き合い、批判的な意見が出にくくすべき
目先の不和と将来の不和ってどういう意味?

部下間の不仲解消は、リーダーの役目かもしれません。しかし、不仲解消がグループ内のパワーバランスを崩し、将来的な禍根を生む可能性を見通す必要があります
なるほど、じゃあ、自滅につながる「ほかの誰かを偉くする要因」って何があるの?

例えば、失敗するリスクの高い仕事を他者に押し付けた場合、他者が失敗せず大成功を収めると、立場が逆転しますよね

第4章 ダレイオス王国は、大王の死後、後継者への謀反が起きなかった。その理由はどこにあるのか

新たに征服した領土は、すべて2種類の様式で統治されている。

 

1つ目は、一人の君主と、そのほか彼の公僕からなる統治様式。

このような国へ攻撃しようとする者は、相手側の内紛を当てにできず、自力で征服する必要があるので困難を伴う。

一方で、君主の血筋を絶やしてしまえば、民衆の信望を集めるものがいなくなり、恐れるものは1人もおらず国の維持については楽だと言える。

 

2つ目は、一人の君主と、封建諸侯からなる統治様式。

このような国は、不満分子や変革を望むものが常にいるので、封建諸侯の誰彼かを味方につけ、その国を楽に侵攻できる。

しかし、国の維持については、支援してくれた封建諸侯を重用する必要があり、大きな困難がつきまとう。

2種類の統治様式って?ピンとこないなぁ

いつの時代も、人が集まれば、そこに派閥が生まれ力を持ちます。では、社内派閥に置き換えて考えてみよう
学閥とか・・・

学閥といった派閥の場合、その構成員をそそのかし内部工作を図っても、学校の先輩後輩といった力関係が、社内の地位や組織構造と相関関係を持つことが多く裏切りが起きにくい
派閥を奪い取る方法はあるのかな?

派閥のリーダーを叩くことが得策。リーダーを失脚させ、操り人形をリーダーに据える。派閥は安定してるから、その維持は容易い
派閥のリーダーになるほどの人なら、スキャンダルの1つや2つありそうだ

他方、ワンマン的リーダーのもと、複数の小グループから派閥が構成されている場合、グループ間の亀裂やリーダーへの不満が生じやすい
グループにある亀裂や不満を増幅させ、自分の仲間にすることで、内部破壊できるんだね

仮に、内部破壊から派閥を奪取したとしても、味方につけたグループを重用する必要が出てくるので、派閥の維持は思い通りにはならない

第5章 征服以前、民衆が自治のもとで暮らしてきた国を治めるにはどうすればよいか

征服以前、民衆が自分たちで法律を定め、自由な暮らしになじんできた場合、国の維持には3通りの方策がある。

 

第1は、そうした都市を滅亡させること。

 

第2に、そこに君主自身が移り住むこと。

 

第3に、住民に、元どおりの法律の下で暮らすことを許し、友好を保つ寡頭政の政権を国内につくらせること。

 

第3の方策では、自由や従来の制度がある都市では、これらが逃げ場をなって、絶えず反乱が起きる。

つまり、安全な方策は第1か第2の方策である。

 

他方、一人の君主の支配下で暮らすことに慣れた都市は、君主は容易に手中にすることができる。

自由な社風のベンチャー系企業で、社員の管理監督を強化しようとしても、反感を買って上手くいかないことが多いと思います
自由って厄介だなぁ。どうしたらいいんだろうか?

マキャベリの「第2の方策」が良いとも思います。自由な社風にリーダー自ら身を置きつつ、ビジネスで必要な厳しい指導を怠らない態度が重要
上司の言いなり、いわゆる「イエスマン」ばかりのいる職場だったらどう?

職務上の命令はスムーズに通り、思い通りに部下をコントロールできる
企業は、組織的に経済活動を行うんだから、指揮系統がしっかり機能しなくちゃね

第6章 自分の武力や力量によって、手に入れた新君主国について

征服した国に、新しい制度なり手法を持ち込み、改革を実行することは難しい。

 

改革を目指す君主が、事業を遂行するのに、他人にお願いしたか、自分でやったかで結論が異なる。

 

まず、他人に援助を求めた場合、必ず禍いが生まれ何一つ実現できない。

 

逆に、自分の能力を信じ、自力をふるった場合、めったに窮地におちいることがない。

 

実例を付け加えると、シラクーザのヒエロンは、古い軍制を排して新しい制度を布いた。

古い交友を捨てて、新しい盟友をつくったのだ。

こうして、盟友や自分の兵士を持つと、この基盤の上に、思うままに建造物を築くことができた。

自力か他力かどちらがいいか?そりゃ自力でしょ?

ここでのポイントは、新しい制度なり手法を実施することの難しさ。他人の力を借りた場合、自分の思ったようには改革ができないということ
しがらみがでてくるからなぁ。でもその場合、どうしたらいいのかな

新しい手法などに変えたい場合、部下を説得しながら導入しようとしても抵抗されてしまいます
改善される手法でも?

新しい手法の良さを実感していない状況では、なかなか賛同を得にくい。なので、強制的に有無を言わさず実行することも大切です
部下に説得や相談などせず、「新しい手法の実施」を評価項目に組み込んで、部下が従わざるを得ない状況をつくるんだね

第7章 他人の武力や運によって、手に入れた新君主国について

ただ運に恵まれ、労せずして君位を得た君主は、国の維持にあたり大いなる苦難にみまわれる。

 

なぜなら、国を譲り渡してくれた人物の好意と運は変化しやすく、不安定なものだからである。

また、労せず君主となった者は、地位を保つ術を知らない。

これは、味方となり、忠誠を誓う武力がないからである。

つまり、対処する器量がなければ国を維持できない。

親の事業を引き継ぐ2代目あるあるに似てるね

確かに「第2章 世襲の君主国」に似ているね。でも、親に見限られて即座にその地位を失うことはあまりないかな
生まれた家が事業やっててお金持ちなんて、不公平だよ

でも、親と一蓮托生だから、親が失脚すれば自身も失脚しやすい。また、自力で地位を得たわけでないから、忠実な部下がおらず、常に不安要素を抱えてしまう
運だけで得た地位を守ることはできない?

マキャベリは、運に見放されてしまう前に、実力で地位を勝ち得た苦労と同等の苦労をして基礎固めをする必要があると説いています
結局、2代目の器量にかかってるわけだ

第8章 悪辣な行為によって、君主の地位を掴んだ人々

一私人から君主になる方法は2つある。

 

1つはある種の悪辣非道な手段で君位にのぼるとき。

もう1つが一市民が仲間の市民の後押しで祖国の君位に就くときである。

 

まず、1つ目の方法について論じる。

アガトクレスといった人物は裏切りや残虐の限りをつくしたのに、自分の領土で長らく安穏に暮らした。

結果、一度も市民の謀反にあわなかった。

 

それは、残酷さが立派に使われたからである。

 

残酷さが立派に使われたというのは、自分の立場を守る必要上、残酷さを一挙に用いて、その後それに固執せず、できる限り臣下の利益になる方法に転換した場合をいう。

 

一方、下手に使われたとは、最初に残酷さを小出しにして、時が経つにつれて、ますます激しく行使する場合をさす。

 

つまり、加害行為は、一気にやってしまわなくてはいけない。そうすることで、人にそれほど苦汁をなめさせなければ、それだけ人の恨みを買わずに済む。

 

これに引きかえ、恩恵は、よりよく人に味わってもらうように、小出しにやらなくてはいけない。

 

ところで、風向きが変わり、必要に迫られ、いざ急に危害を加えようとしても間に合わない。

また、そうなってから、恩恵を施したりすれば、いよいよ最後のあがきとみられ、あなたの支えにならず、誰もあなたに恩義など感じない。

これは必要悪的なことをいってるのかな?

必要悪というより、情け容赦ない悪どい手法の使い方について論じているね
残酷さが上手く使われたか、下手に使われたかってとこだね。残酷さを上手く使うってどんな感じ?

例えば、在任期間が長い社員が実質その部署の雰囲気を支配している場合、その社員に無理なノルマを押し付けるなどして、一気に徹底的に潰す
今のご時世、やり方には注意すべきだけど、そういうことね

その後は、他の社員にとって恩恵となることを小出しに実行していく
恩恵となることは、小出しに続けることが大切なんだね。人は恩恵を受けたことをすぐに忘れるからなぁ

そう。恩恵はゆっくり小出し。また、パワハラまがいなことを続けると部下が敵だらけになるから要注意
ほかに注意点は?

職場の雰囲気です。不穏因子を見過ごすと、仕打ちをかますタイミングを失して、ご飯を奢るなど迎合的な対処をしてしまい、結果、なめられてしまいます
悪辣な仕打ちをすべきか、恩恵を施すべきか、早めに察知する必要があるんだね

なので、常に職場の雰囲気に注意を払わなければいけません

第9章 市民型の君主国

市民型の君主国には、民衆が支持してなる時と、貴族の支持を受けてなる時がある。

 

民衆は、貴族の命令や抑圧を受けるのを嫌う。

一方、貴族は民衆に命令し抑圧することを望む。

 

そして、貴族の支援を受けて君主の地位についた者の方が、君位の維持が困難となる。

なぜなら、貴族の支持で仕立てられた君主の周りには、君主と対等だと思い込む仲間(貴族)が大勢いて、君主は気ままに命令・操作ができないからである。

 

これに引きかえ、民衆の支援で君位についた場合、君主は1人自由であり、周囲に不服従の者がいても少数である。

つまり、君主に起こりうる最悪の事態は、民衆から見放されることである。

一方で、一時的に貴族を敵に回したとしても、貴族は機を見るに敏であり、したたかだから、常に保身に先走って、勝ち目のある方に取り入ろうとするから問題とならない。

 

さらに、貴族の態度を2つに分けて見てゆく。

それは、貴族が、あなたの運命と全面的に関わって身を処しているか、否か、ということである。

 

しっかりと、あなたと結びついていて、しかも強欲でない人であれば、賞揚し大切にすべきである。

 

つぎに、結びつきを持たない貴族については、さらに2つの態度に分けて調べなくてならない。

 

1つ目は、彼らが小心や生来の意気地なしのために、関係を避けている場合である。

このとき、一廉の見識を持つ者は登用しなくてはいけない。

なぜなら、あなたが隆盛に向かえば、彼らはあなたを尊敬するし、仮にあなたが逆境に陥っても、恐れるに値しないからである。

 

2つ目は、野心的なわけがあってついてこない者で、君主はこういう者を警戒し、公然の敵とみなして、恐れなくてはならない。

 

ところで、貴族の後押しで、民衆の意志に反して君主についた者は、民心を掴むように努力をしなくてはならないが、民衆の保護にあたれば、それは難しいことではない。

 

また、市民は、平時にあっては、誰もが皆はせ参じたり、忠義を約束してくれる。

死がはるか彼方にあるときは、誰もが、わが君のために死をも辞さない、といってくれる。

だが、いざ風向きが変わって、君主が本当に市民を必要とするとき、そんな人間はめったに見つかりはしない。

 

したがって、賢明な君主は、いつ、どのような時勢になっても、その政権と君主とが、市民にぜひとも必要だと感じさせる方策を立てなくてはいけない。

この章は長くて、要素もりもりだな。少しまとめてくれない

POINT
①貴族の支援により君主になると取り巻きがややこしい

②民衆の支援により君主になるときは、民衆に見放されないようにしておけばよい

③貴族は勝ち馬に乗ろうとしたたかだ

④貴族で、小心者かつ識見を有する場合、重用すべき

⑤貴族で、野心家の場合、敵とみなすべき

⑥市民は時勢によって態度が変わるから、常に必要とされる方策を立てるべき

ポイントを6つにまとめてくれたんだね。ありがとう!

まず、能力の高い部下に支えられている上司は、その部下を無視できず自由に判断を下すことが難しい
なるほど、一方で、大勢の社員の信頼により権威を得ている上司は、自分の判断を通し易いってことだね

上司にとって、最悪の事態は、多くの社員から見放されること
一人のリーダー格の部下を敵に回しても、上司がその他大勢の社員の信頼が厚ければ、リーダー格の部下も保身に走るんだね

自分に迎合しない部下でも、小心者でかつ業務スキルがある場合は引き立てるべき
でも上司の地位を虎視眈々と狙っている奴は、冷遇すべきということだね

また、部下は、上司が社内的に優位な場合には従順になりますが、上司の立場が危うくなると離れていきます
上司の地位が危うくても、社員に必要とされる仕組みってあるのかな?

上司自身の決裁権限を広くして、様々な事案に関われるようにしておくことですかね

第10章 様々な君主国の戦力を、どのように推し量るか

君主国の性質を調べるにあたって、独力で守っていける国か、それとも別の第三者の支援が必要になる国かという観点が必要である。

 

後者は、野に出て敵と対峙することができず、城塞に引きこもって敵勢を迎え撃つものをさす。

 

この場合について助言すると、こうした君主は自身の都市の城壁を強化して、備えを堅固にすること。また、城外の野戦のことなど全く念頭に置かないこと。

 

市民が城外に個人の財産を持っている場合、私財が焼け落ちるのを見たら、我慢しきれなくなろうという意見もあると思うが、敵軍が村落を燃やしたり壊したりする時点では、城内の市民は防衛に意欲的である。

 

数日たってその士気が冷めるころ、臣下はすでに痛手を受け、打つ手がなくなってくる。

しかし、ここまでくると、彼らは君主との結びつきを一段と強めてくる。

なぜなら、君主を守ろうとして、我が家が焼かれ財産が無一物になったのだから、君主はさぞ我々に恩義を感じてくれると信じるからである。

他者に比べ自力に劣る場合は、防御に徹した方が良いってこと?

そうだね。その際に、多少の犠牲が生じるとしても、そのことが逆に結束を強めることになるんだ
そうかな?無能なリーダーだと非難されないかな?

確かに、チームで危機を共有し、守勢を採ることへの仲間の理解が前提となります。その前提があって、チームのために身を切った者は、チームに対し思い入れを強めることになります
貢いだ相手ほど、のめり込む心理と似ているね

第11章 教会君主国

教会君主国は、宗教に根差す伝統的な制度に支えられている。

 

なので、実に強固な体制であって、君主がどんなやり方をしようが、どう暮らそうが、政権の維持はゆるがない。

体制が覆しがたい制度と一体性を持った場合、体制の維持が容易であることを指しています
覆しがたい制度とは?

例えば、PTAとか消防団とか自治会とか、個々人がその存在に疑問を持っていても、一度制度として確立してしまったものを改革することは容易ではない
会社の無意味な会議とかもそうだね。一度制度として作ってしまうとやめられない

多数を犠牲にし、少数の利益となるような体制が聖域として守られてしまうんだ
つまり、体制化・制度化することは、利権に絡む者にとってとても重要なんだね

第12章 武力の種類、なかでも傭兵軍

君主が国を守る戦力として、傭兵軍を国の基礎におけば、将来の安定どころか維持もおぼつかなくなる。

傭兵は、無統制で、野心的で、無規律で、不忠実だからである。

 

傭兵隊長には、熟達した人物と、そうでない人がいる。

 

仮に逸材であれば、信頼するわけにはいかない。

なぜなら、彼らは、雇い主のあなたを圧迫したり、あなたの意志に背いて、別の勢力まで制圧してしまったり、決まって身の栄達を望むからである。

 

一方で、実力のない傭兵隊長であれば、無論あなたは破滅に追いやられる。

ビジネスの世界で、分かりやすく例えると、経営コンサルタントが該当するでしょう
経営コンサルは、契約金額の範囲内での経営アドバイスだもんね。決して親身にはならないよね

また、クライアントの程度に合わせて手を抜くことも。悪徳コンサルだったら、会社を乗っ取ろうとするかもね
コンサル任せになってしまうのは危険

経営効率化のためにはアウトソーシングという手法もあるけど、社内の人材育成に力をいれてノウハウを向上させることが重要ですね

第13章 外国支援軍、混成軍、自国軍

役に立たない戦力として、外国からの支援軍がある。

 

他の有力君主の軍隊は、それ自体は役に立ち、悪くないのだが、おおかた招いた側に禍を与える。

なぜなら、支援軍が負けると、あなたは滅びる。一方で、支援軍が勝てば勝ったで、あなたは彼らの虜になってしまうからだ。

 

ところで、賢明な君主は、自国の軍隊に基礎をおく。

他国の兵力を借りて手にした勝利など本物ではないと考えて、第三者の力で勝つぐらいなら、独力で負けることを願った。

 

悪い事例を挙げると、フランス王国は、歩兵をすべて廃止したため、騎兵は、他国の歩兵の支援を仰がねばならなくなり、結果的にスイス兵に名を成さしめて、フランス全軍を弱体化させてしまった。

彼らフランス騎兵は、常にスイス歩兵と協力して作戦を起こす習慣がつき、スイス兵がいなくては勝てないと思うようになった。

 

つまり、自らの武力を持っていなければ、どんな君主国であっても安泰ではない。

いやむしろ、ひとたび逆境ともなれば、自信をもって国を守っていく力がないから、何事につけ運命任せになる。

この章は、第12章の傭兵の話に似ているね

ポイントだけ整理しておこう
MEMO
・目先の楽に飛びついて、チーム外の支援に容易に頼らないこと

・多少苦しくても、自己のチームにノウハウや実力が付くよう努めること

第14章 軍備についての、君主の責務

君主は、戦いと軍事上の制度や訓練のこと以外に、いかなる目的も、いかなる関心事も持ってはいけないし、また、他の職務に励んでもいけない。

なぜなら、君主が、軍事力よりも優雅な道に心を向けるとき、国を失うのは明らかだからである。

非武装化が、あなたに及ぼす弊害は様々だが、特に、あなたが人に見くびられることが弊害である。

 

武力のある者とない者とでは雲泥の差がある。

例えば、武力のある者が武力を持たない者に進んで服従したり、武力を持たない者が武力を持つ従者たちに囲まれて、安閑としていられることなどはあり得ない。

 

こう考えてみると、君主は、片時も軍事上の訓練を念頭から離してはならない。

そこで、訓練には二つの方法がある。

一つは行動によるもの、もう一つは頭を使ってするものである。

ここで言う軍事力って、ビジネスで例えると?

仕事上で言えば、部下の人数や、部下個々の能力ってとこだね。業務閑散を理由に、部下を他の部署に融通してしまうのは危険
個人も、業務閑散だからって、長期休暇をとってリフレッシュするんじゃなくで、スキルアップに努める必要があるんだね

そう、部下に他社調査や社員研修を命じるべき。リーダー自身も、先人の成功や失敗、考え方から知識を得る時間に割くべき
先人?例えば?

松下幸之助さんの「道をひらく」を読むのもいいですね。そこに出てきた名言を自分のコメントにも使えるようにするとか
なるほど、使える知識の習得が大事なんだね

第15章 人間、ことに世の君主の、毀誉褒貶は何によるのか

何事につけても、善い行いをすると広言する人間は、よからぬ多数の人々の中にあって、破滅せざるを得ない。

したがって、自分の身を守ろうとする君主は、良くない人間にもなれることを習い覚える必要がある。

 

そして、この態度を必要に応じて使ったり使わなかったりしなくてはならない。

 

人間は、人間である限り、裏表がなく、堂々としているといった、誉めそやされる気質だけをそなえて、完璧に守っていこうとしても、それはできない相談である。

 

なので、君主たるものは、用心深く、地位を奪われかねない悪徳の汚名だけは、避けるべきである。

一方、君位の簒奪とは縁のなさそうな悪評については、避けることが難しいのであれば、さほど気にせず成り行きに任せるがいい。

 

しかしながら、一つの悪徳を行使しなくては、政権の存亡にかかわる容易ならざる場合には、悪徳の評判など、かまわず受けるがよい。

というのは、美徳の評判となることを行っても身の破滅に通じる場合があり、他方、表向き悪徳のような行いでも、自らの安全と繁栄がもたらされる場合があるからだ。

悪評に繋がるが、せざるを得ないことってあるかな?

会社でいうと人事。人事部は、人事異動や働き方、社員の身辺調査など、社員の利害に絡む場合が多い
確かに、リストラ断行とかで社内的に悪者にされることが多いね

会社のために人事部の仕事をしっかり行って、社員に悪評をたてられても仕方がなく、毅然した態度をとる必要があります
動揺したり、仏心を出してしまうと、社員になめられてしまうもんね

人事部が絶対にしてはいけないことは、あからさまに不公平な特定の人物や部署におもねった人事権の発動。取り返しのつかない悪評となってしまう
権力のある部署は悪評を立てられやすいので用心深い方がいいね

第16章 気前の良さとケチ

気前の良さとケチの二つの気質のうち、まず気前の良さを取り上げると、気前の良い人物とみられるのは確かに良いことだろうと思う。

 

だが、気前の良いふるまいをするのは、かえってあなたに害になる。

なぜなら、大勢の人々の間で、気前が良いという評判を通そうとすれば、自分の全財産を使い果たしてしまうからだ。

その上なお、評判を守り続けようとすれば、どん欲になって金銭を得ようと躍起になる必要がある。

こうなると、領民に恨まれるようになり、誰からも尊敬されなくなる。

 

英邁な君主は、ケチだという評判など、少しも気にかけてはならない。

それは、領民の物を奪ったりしないためにも、自己防衛のためにも、貧乏になって見くびられないためにも、仕方なく強欲に走らないためにもそうすべきだ。

 

君主が軍隊を率いて進撃し、勝利品を得て、他人の物を勝手に処分する場合は、寛大であっても構わない。

それはあなたの評判を落とすどころか、一段と高める。

 

しかし、あなた自身の財産を浪費すれば、貧乏になって、蔑まれるか、貧困から逃れようとして強欲になって、人の恨みを買うのが落ちである。

 

つまり、悪評どころか恨みを買うぐらいなら、悪評だけもらって恨みを買わない、ケチに徹した方がはるかに賢明であろう。

奢られなれた部下は、奢られないとき、上司にセコさを感じるよね

上司1人が、何万円も払う羽目になることも。上司は、奢り方には要注意です
全員分の飲み代を払って評判を得ようとすると、財布は空。私服を買えず時代遅れのファッション、ダサくて、見くびられるのはつらいな

多少、ケチだと思われても、財布が痛まない程度に多めに支払うべき。チームに対して報償が出て場合は、部下たちに惜しみなくふるまうのがいいですね

第17章 冷酷さと憐れみ深さ。恐れられるのと愛されるのと、どちらが良いか

どの君主にとっても、冷酷さなどでなく、憐れみ深いと評される方が、望ましいことに違いないと思う。

しかし、恩情にしても、下手なかけ方をしないように心掛けなければいけない。

 

冷酷さが、地域の秩序を回復させ統一し、平和と忠誠を守らせる結果につながる。

なので、君主たる者は、自分の領民を結束させ、忠誠を誓わすためには、冷酷だなどの悪評を何ら気にかけるべきではない。

 

ほかの議論として、恐れられるのと愛されるのと、どちらか一つを捨ててやっていくとすれば、恐れられることを選んだ方がはるかに安全である。

 

それは、人間が恐れている人より、愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つけるものであるからだ。

人間はもともと邪であるから、ただ恩義の絆で結ばれた愛情などは、自分の利害のからむ機会がやってくれば、たちまち断ち切ってしまう。

 

ところが、恐れている人については、処刑の恐怖が付きまとうから、あなたは見放されることがない。

君主は、たとえ愛されなくてもいいが、人から恨みを受けることがなく、しかも恐れられる存在でなければならない。

なお、恨みを買わないためにも、財産の喪失は忘れがたいものだから、特に他人の持ち物に手を出してはいけない。

人は恩情より、恐怖の感情の方が勝んだね

自分と恩人の利害が相反する場合、恩人を裏切らない人もいるけど稀なこと。美談として残るかもしれないけど、結果、本人は不幸
じゃあ、恩情無しで恐怖だけでいいのかな?

極論でいうとそうなるけど、恩情も必要で、恩情の掛け方が重要
そっか!第8章でいってた「恩恵を小出し」と同じ感じだね

恐怖8:恩情2ぐらいの方が、恩情のありがた味も増すしね

第18章 君主たるもの、どう信義を守るべきか

君主にとって、信義を守り公明正大に生きることがどれほど称賛されるものかは、誰もが知っている。

 

しかし、信義に基づく君主より、信義などほとんど気に掛けない君主の方が、むしろ大きな事業をやりとげている。

 

人間は邪悪なもので、約束を忠実に守るものでないから、他人に信義を守る必要はない。

言い換えると、君主は、信義を守るのが自分に不利を招くとき、あるいは約束したときの動機が既に無くなれば、信義を守るべきものではない。

 

約束の不履行について、もっともらしく言いつくろう口実など、その気になればいつでも探せる。

なぜなら、君主はどこまでも慈悲深く、信義に厚く、裏表なく、人情味にあふれ、宗教心の厚い人物と思われるように心を配れば、大衆は常に、その外見や出来事の結果だけを見て判断するからである。

信義を守らなくてもいい場合ってある?

信義を守らないことが良い結果につながることが分かっている場合ですね
確かに、判断が良い結果につながるなら問題にはならないってことか

そうですね。結果が重要。そして、「信義を守って結果が悪い」より、「信義を守らず、結果も悪い」が一番最悪です
結果が良ければ、信義を守らなかった口実はいくらでもつくれそう

信義を守らなかったことを直接見聞きできる人自体がそもそも少数であることが多いしね

第19章 君主は軽蔑され憎まれるのをどう避けるか

君主が一番大きな恨みを買うのは、臣下の財産や婦女子に目を付けたり、略奪することである。

一方、軽蔑されるのは、君主が気が変わりやすく、軽薄で、女性的で、臆病で、決断力がないとみられることである。

 

もっとも、軽蔑されることを大いに警戒しなくてはならず、自分の行動の中に偉大さや、勇猛心、重圧さ、剛直さなどが窺えるように、努力しなくてはならない。

 

そして、君主について回る憂いの一つに、臣下によって引き起こされる内憂があるが、最も有効な対策は、民衆の恨みを買わないことである。

なぜなら、君主が民主の厚い信望に支えられているとなれば、どんなに向こう見ずな人間でも、とても謀反にはふみきれないからだ。

よって、君主は、恩恵を与える役は進んで引き受け、憎まれ役は他人に請け負わせればいい。

 

また、ここで心得ておきたいのは、人に恨みを受けるのは、悪行だけでなく、善行からも生まれるということだ。

軽蔑されるような気質って直るのかな?

移り気、軽薄、臆病などは、周りは気づいていても、本人にその認識がない場合がほとんとだね
じゃあ、まず本人が認知する必要があるね

そう。感情が動くとき、自己を客観的にみれるようにする。それから、感情に突き動かされた行動でなく、理性で選択した行動をとる
恨みを買わないために、憎まれ役を他人に請け負わせるってどうなんだろう

例えば、部下に言いにくい課題認識を直接伝えるのではなく、会議の議題として話し合う方法があるね
人の恨みは善行からも生まれるってどういうこと?

腐敗した権力の悪行を否定し、善行に努めた場合、その権力者から恨みを買ってしまうことがあるんだよ
腐敗した権力に迎合する必要もあるってことだね

力を持っていない段階では、迎合は仕方がないことだといえますね

第20章 君主たちが日夜築く城塞や、その類のものは有益か、有害か

君主によって、国の安全保持の対策は様々である。

例を挙げると、

領民をことごとく非武装にした君主。

統治下の諸都市の分断を図った君主。

仮想の敵を作ったり、あるいは、政権の当初に、自分に不信感を持った連中を懐柔しようと努めた君主。

城塞を築く君主。

城を廃墟とし破壊する君主などである。

 

それぞれの対策を総括的に論じてみよう。

 

領民の非武装を見た新君主は、きまって彼らを武装させた。

それは領民を武装させれば、その兵力がそのまま自身のものになるからである。

そのうえ、下心を持っていた者が忠実になり、もともと忠誠を誓った人々もそのままの形で引きつけておける。

こうして単なる領民が支持者にかわる。

 

これに引きかえ、領民の武装を解除してしまうと領民の心を傷つける。

なぜなら、領民を警戒し、臆病風に吹かれ、あまり信用がないといった心境を露呈したことになるからだ。

 

また、領土で内輪もめを起こさせる政策は、上手くいくとは思えない。

勢力の弱い側が、きまって外国勢力と通じるため、強い側が対抗できなくなる。

こんな内紛都市は、敵が押し寄せてくればたちまち奪われてしまう。

 

一方で、賢明な君主は機会があれば、策をろうしてでも、わざと敵対関係をこしらえ、これを克服することで勢力の拡大をはかる。

 

ところで、新君主が経験するのは、政権の当初に疑わしくみえた人物の方が、初めから信頼していた者より忠誠心が深く、より役立つことである。

これは、君位についた当座、敵意を抱いた人々は、一度立てられた悪評を行動で打ち消したい、切羽詰まった気持ちを持っているから、君主に忠勤をはげまざるを得ないことによる。

 

また、従来、敵の急襲に備える安全な避難所を確保するため、城塞を築く習わしがあった。

しかし、城塞がなければ、二度と国を奪われる心配はないと判断することもできる。

つまり、城塞は時として、有効とも有害ともなりえる。

この章は長いね。ポイントにまとめてくれない

ポイント
①領民を武装させる意義

②都市を分断するのは愚策

③外敵をつくり勢力を伸ばす

④家臣の心理を利用

⑤有効な手段でも、時に有害になる

まず、1点目ですが、武装させることが軍事力の向上だけでなく、武装=信頼の証となっていますね
確かに、信頼しているからこそ武器をもたせてくれるんだもんな。粋に感じるって訳か

次に、2点目の、内部に揉め事を起こして統治するスタイルは、外部から付け入る隙を与えるから危険ってことですね
ワザと揉めさせて、仲裁してコントロールしようとする質の悪い人いるよね

3点目は、外敵を作れば、国内がまとまるってことだね
お隣の国が日本をバッシングして、国内の問題から目をそらさせてるやつだ

4点目は人間の心理ですね。自分の立場が悪ければ、汚名返上、名誉挽回って当然の感情として湧きますね
人間は、媚びる悲しい生き物だな

5点目は、手段はその状況に合わせて検討しなければならないってことですね
過去の成功事例に執着しても次回も上手くいくとは限らないってことあるね

第21章 君主が衆望を集めるには、どのように振る舞うべきか

君主が衆望を集めるためには、何よりも大事業(戦争)を行い、自らが類まれな手本を示すことが重要である。

 

そして、君主は、この人物を支持し、あの人物は敵視するということを、なんのためらいもなく打ち出すことを通じて、尊敬されるのである。

 

仮に、あなたの近隣の二人の強者が、殴り合いを始めたとすれば、いずれどちらかが勝利を掴む。この勝利者は、あなたにとって、怖い存在か、怖くない存在かのいずれかである。

 

どちらに転ぶにせよ、あなたは自分の立場を明らかにして、堂々たる戦いをやる方が、より有利である。

 

もし、怖い存在が勝利者となる場合、あなたが立場を鮮明にしておかなかったなら、必ず餌食になる。決断力のない君主は、多くの場合中立を選び、おおかた滅んでいく。

 

逆に、立場を鮮明にした場合、もし、加勢した方が勝利を握れば、勝者はあなたに恩義を感じる。

また、仮に加勢した方が負けた場合でも、いつか再びめぐりくる運命の同伴者ともなろう。

君主はどっちつかずの態度を改めるべきということですね
スイスは、永世中立国だけどどうなの?どっちつかず?

スイスは、対立する陣営の一方に入らない。中立を守るため独自の軍力を保持している。つまり、中立国として徹底した態度をとっているといえるかな
なるほど、どっちつかずとは、最終的に迎合する必要があるにもかかわらず、煮え切らない態度ということだね

勝ち馬に乗るための様子見は、勝者・敗者どちらからみてもマイナスとなる

第22章 君主が側近に選ぶ秘書官

ある君主の頭脳の良し悪しを推測するには、側近を見ればいい。

 

側近が有能で誠実であれば、その君主は聡明だと評価してまちがいない。翻って、側近が有能でなければ、どうあってもその君主に良い評価を与えるわけにはいかない。

 

君主は秘書官の人物を知り、絶対に間違わないように見分ける必要がある。

 

秘書官が君主のことより、自分のことをまず考え、どんな行動にも私益を求める人物と映れば、決して良い秘書官といえないし、気を許すわけにはいかない。

一方、君主は、秘書官に忠誠心をもたせるために、名誉を与え、暮らしを豊かにし、恩義をかけ、栄誉と責務とを分かち合って、彼の身の上のことを考えてやらなければいけない。

側近の良し悪しで、君主の能力が左右されるのはよくわかる

側近の能力を見抜く力が君主には必要ですね
能力が高い側近がいない場合もあるんじゃないか?

確かに能力のレーダーチャートがどの項目も高い人物を探すのは難しいから、個々の能力にあった分野に関して助言をもらうのがいいよね
能力はそうだけど、自己保身を基に発言する不届き者は?

自己保身による発言かどうかは、言葉のままだから分かりやすいよ。発言者は自分の言葉の卑しさに気づくことは意外と少ないから

第23章 へつらう者をどのように避けるか

君主は、重要な決断をする場合、国内から幾人かの賢人を選び出して、彼らにだけ自由に真実を話すことを許す。

そして、君主の下問の事柄に限り、他の議論を認めないことにする。

 

彼らに、諸般の事項について訊ね、その意見を聴いたのち、君主は、自分独りで思いどおりに決断を下さなくてはいけない。

 

こうした助言を得る際に君主は、個々の助言者が、率直に話せば話すほど歓迎されることを、十分くみ取ってもらえるように対応しなくてはいけない。

 

これ以外のやり方をすると、雑多な意見が出てやすく、やたらに説を変えて、君主の評判がガタ落ちになる。

聡明でもない君主が複数の人の意見を徴していると、結局、まとまった助言が得られないことになろう。

また、それを自分の頭で、うまくまとめることもできかねよう。

そのうえ、助言者はそれぞれ私利私欲を考えるから、君主は、彼らの意見をどう修正し、どう受け入れていいかわからなくなる。

多様な意見が反映される方が今どきじゃないかな?

ほとんどがたいした能力もない人たちで、そのような人物からの意見をいくら集めても、君主が下す重要な決断の参考にはならない
でも、アンケートとかで大勢の意見を聴くでしょ

一般大衆向けのアンケートであれは、判断の方向性にかかる直接的な意見を聴くのではなく、方向性を決める1つの判断材料としてのニーズ調査ですよね
確かに、大勢に聞けば聞くほど、自分勝手な意見や適当な意見が増えていくよね

あと、君主は人選して助言を求めるからには、助言者の助言をしっかりと受け入れる態度が重要ですね
助言を求むって言って、本音は自分の意見に賛成してほしいだけって奴いるよな

無能な上司に多いよ。皆の意見が聴きたいって会議を開いて、自分の意見に沿わなかったら怒りだすパターンだね

第24章 イタリアの君主たちが、領土を失ったのはなぜか

凪の日に、しけの事など思ってみないのは、人間共通の弱点であるように、君位についていたイタリアの諸君候もまた、平穏な時代に天候の変わることをまったく考えなかった。

いざ雲行きがあやしくなると、逃げすことだけ考えて自国の防衛など思いもしなかったのだ。

君主は、楽観的にいられないってことですね
不幸は突然やってくる

防衛のための策を、平時から講じておかなければ、突然の事態に誤った選択をしてしまいます

第25章 運命にどう抵抗したらよいか

全面的に運命に依存してしまう君主は、運命が変われば滅びる。

一方で、自分のやり方を時勢と一致させる人は成功する。

ところが、時代の状況に即応できる賢明な人間はなかなか見当たらない。

その理由は、ある道を進んで繁栄を味わった人は、どうしてもその道から離れる気になれないからだ。

一度上手くいったやり方に固執していまうのはよくあることですね
時代の変化に対応するには、時勢を読む力がいるよな

客観的で正確な情報を得ることが大事ですよね。誤った情報からは誤った判断しか生まれないので

第26章 イタリアを手中におさめ、外敵からの解放を激励して

はたして現在のイタリアに、新君主が名声を挙げるのに適切な時代がやってきているかどうか。

 

思うに、新君主にとって万事が願ってもない状況にあって、行動を起こすのに今ほど適切な時節はかつてなかったといえよう。

 

息絶え絶えのイタリアは、今自らの傷をいやしてくれる人を待ち望んでいる。

 

運と力量を兼ね備え、神とローマ教会の恵みを受けて盟主と仰がれる栄光あるご一家のほかイタリアの期待に応えられる人がどこにあろうか。

今のイタリアの状況が、まさに新君主を求めていると説いています
救世主を求めるような状況こそ、君主となる条件ってことだね

おわりに

マキャベリの君主論は、露骨に実行すると、今の時代に合わないと非難される部分が多くあると思います。

しかし、人間の本質を捉えており、マキャベリの視点を持っておくことは、非常に重要だと思います。

参考にした図書は下に2冊です。

君主論の和訳の参考として、

とても分かりやすい入門書として、

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