ウイルスとは何なのか?
細菌とどう違うのか?
素朴に疑問と感じる方は多いのではないでしょうか。
感染症で言うなら、ウイルス、細菌どちらも原因になります。
ところが、感染症は、風邪や、インフルエンザ、結核、梅毒・・・様々あり、原因がウイルスなのか細菌なのか分かりにくい。
では、ウイルスとは何なのか、一緒に考えていきましょう。
ウイルスの発見
1890年代に、タバコモザイク病を引き起こす病原体の研究から、細菌よりもずっと小さな「濾過性の病原体」の存在が報告された。
野口英世は、1900年前後に黄熱病、梅毒をはじめ多くの研究を発表した細菌学者。
黄熱病を研究し、黄熱病の病原体を細菌と発表した。
現在では、黄熱病の病原体はウイルスということが判明し、野口の誤りが明らかになっている。
野口英世が生きた時代は、光学顕微鏡しかなく、ウイルスを見ることができなかったのである。
ウイルスの大きさ
ウイルスがとても小さいのは先述のとおり。
単位でいうと0.1㎛ほどです。
ちなみに、細菌である結核菌は2.0㎛で、ウイルスの20倍の大きさです。
ウイルスの形
ウイルスは幾何学的な形になっています。
正二十面体や、らせん状などの形で、同じ種類のウイルスは全く同じ形です。
また、大小といったサイズの差もありません。
ウイルスの特徴と活動
ウイルスは細菌と比較すると、大きさのほか、増殖能力の有無など、様々な違いがあります。
細菌の特徴
・細胞がある
・栄養を摂取し、呼吸しエネルギーを生産
・細胞分裂により増殖する
細菌性感染症の例
梅毒
結核
百日咳
コレラ
赤痢
溶連菌感染症
O157などの腸管出血性大腸菌感染症
ウイルスの特徴
・細胞がない
・栄養を摂取することがない
・呼吸しない
・自力では動かない
・自力で増殖できない
ウイルス性感染症の例
風邪(ライノウイルス、コロナウイルス)
インフルエンザ
おたふくかぜ
麻疹
風疹
水疱瘡
エボラ出血熱 など
ウイルスの活動
ウイルスは自力で増殖できません。
動植物の細胞に寄生することによって増殖します。
どういった種類の生物を宿主とするかは、ウイルスの種類によって異なります。
特定の動植物の細胞に入り込んだウイルスは、自身のDNAを注入します。
そして、宿主細胞は、そのDNAを自分の一部と勘違いをし複製を行い、細胞内で次々とウイルスが増殖します。
最終的に、新たに増殖したウイルスは細胞膜を破壊します。
ウイルス感染検査
コロナウイルス感染の検査として、PCR検査を報道でよく聞くと思います。
PCRとはポリメラーゼ・チェイン・リアクション(ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字。
PCR検査とは、簡単に言うと、ウイルスを特定できる遺伝子の合成を行い、その遺伝子が増えれば当該ウイルスに感染していることが分かるものです。
ちなみに、PCRマシーンの登場により、任意の遺伝子を自由自在に複製することができるようになりました。
このことは、遺伝子研究の発展に大きく貢献しました。
さいごに
現在、新型コロナウイルスが拡大し世界が混乱しています。
身近にできることで感染を防ぎましょう。
・手洗いは石鹸で丁寧に
・部屋の換気をこまめに
・外出を控える
・マスクの着用
・目や鼻、口は触らない
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