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株式投資のための企業分析!
成長企業に株式投資したいけど、どの企業が成長するのか判断に悩む方は多いのではないでしょうか。
既に多くの投資家に注目されて株価が上昇してしまっている企業には、なかなか投資しづらいと思います。
企業の実態を示すさまざまな指標を知っておけば、今後も株価が上昇し続けると判断できるかもしれません。
ここでは、企業を分析できる指標のうちROE・ROAを知って成長企業を見つけましょう。
数字で探す成長企業(ROE・ROA編)
ROE(Return On Equity)はどんな指標か
ROEとは、株主にとっての自己資本に対して何%の利益を上げることができたのかを表す指標です。
つまり、会社の経営能力を判断する指標となるわけです。
ローソンの2019年2月期の決算短信を例にすると、下の青枠の「自己資本 当期純利益率」がROEです。
ROA(Return On Assets)はどんな指標か
ROAとは、総資産に対して何%の利益を上げることができたのかを表す指標です。
つまり、ROAは他人資本も含むことで、現実的な側面から会社の経営能力を判断する指標となるわけです。
ローソンの2019年2月期の決算短信を例にすると、
下の青枠の「親会社株主に帰属する 当期純利益」を「総資産」で割った数値がROAです。
ROAは1.9%(25,585百万円 ÷ 1,342,490百万円)となります。
ROE・ROAをより理解するためにそれぞれの計算式を分解する
実は、ROE・ROAの計算式には「大事な指標」が隠されています。
計算式を分解することで、「大事な指標」が見えてきます。
ROAに隠された「大事な指標」
これまでROAの計算式は、「ROA = 当期純利益 ÷ 総資産」と説明しました。
分数で表示すると、
ROA = 当期純利益 / 総資産
これを分解すると、
ROA = (当期純利益 / 売上高) × (売上高 / 総資産)
となります。
この指標は、売上高に対して、どれだけ利益を上げることができたのかといった収益性を示します。
この指標は、少ない資産でどれだけ多くの売上げることができたのかといった効率性を示します。
ROEに隠された「大事な指標」
これまでROEの計算式は、「ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本」と説明しました。
分数で表示すると、
ROE = 当期純利益 / 自己資本
これを分解すると、
ROE = (当期純利益 / 売上高) × (売上高 / 総資産) × (総資産 / 自己資本)
となります。
ROAを代入すると、
ROE = ROA × (総資産 / 自己資本)
となります。
財務レバレッジは、自己資本以外の「銀行借入等の負債の利用度」を示す指標です。
総資産は、
負債 + 純資産[自己資本 + その他]なので、
負債が増えれば総資産が増えます。
つまり、銀行借入等の負債への依存が高くなれば、この財務レバレッジの数値も大きくなります。
成長を見込める収益性の高い事業への投資であれば、銀行から資金を借り入れるなど負債の割合が増えても、結果的に会社の収益を増加させることにつながります。
まとめ
ROE = ROA × 財務レバレッジ
この式から、会社の収益性、効率性、事業投資に対する姿勢が見えてきます。
つまり、ROEは経営手腕とセットで語られる財務指標なのです。
株価が上昇する要因はさまざまですが、基本的には利益を増やすことが大切で、当期純利益が増えれば、ROEは高くなります。
また、株主への配当など株主還元を行うと自己資本は小さくなることから、やはりROEは高くなります。
このように、ROEは株式投資において重視すべき代表的な指標といえます。
ただし、財務レバレッジで説明したように財務体質が悪い場合でもROEが高くなることがあるので、
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産
が低くないかも合わせて確認していく必要があります。
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